2017/05/28

悲しみに打ちひしがれている時は薬を飲むに限る。薬を飲むということは、異常で異常を叩きのめすということだ。調子が良くなるならどんな構造だろうとかまいやしないのだが。

私が処方されている薬には味が甘いものが多い。ひとつを除いて。私はシクレストが好きだ。シクレストは私に眠気を運んでくれる。飲まないと一睡もせずに朝を迎えてしまう。私はシクレストが嫌いだ。問答無用の不味さだからだ。どうしたらあんなにも不味いものを作れるのか、と毎晩私を悩ませる程度には不味い。正直、口にいれたくないレベルだ。洗剤と同じ味がする。なぜ眠る前に気分を最悪まで落とさねばならないのか。

私は担当医のことを信じているが、信じているわけではない。処方する薬の量が尋常ではないからだ。他の医者に処方薬のリストをみせると大抵が驚き二度見する。そして皆、口を揃えて薬を減らしてもらえという。しかし私は担当医のことを信じているので、その場しのぎの返事をする。すると医者達は満足気にそうなさい、と言う。医者は私の返事を信じたのだ。本当は誰も私の返事を信じてはいないのだが。