2017/07/25

体がだるい、夏バテだろうか。横になっていてもしんどい。近頃体のだるさが深刻化しており、仕事にも支障がでている。おまけに体のだるさからメンタルの不安定さも増しており、生きているだけなのに自分に拍手を送りたくなる。

唐突だが、仕事を辞めることにした。近頃の職場の雰囲気から、嫌なものを感じ取れるからだ。沈みかかった船のような感覚だ。私の足元を、真っ赤な床の上を、たくさんの痩せこけたネズミが走っていくのが見える。

毎日幸せおんなのこ、輝く品目300円。甘く可愛い毎日に、魔法にかかるよ300円。

10分おきに流れる職場のオリジナルソング。しかし、魔法は0時に解ける。あんなにいい職場と思っていたのに、私の魔法は解けてしまった。幸せの魔法を自分にかけることはできないから、私はここを去るしかなくなった。

毎日幸せおんなのこ

輝く品目300円

甘く可愛い毎日に

魔法にかかるよ300円

でもね、魔法は0時に解けるから

二度とかかれぬあの日の魔法

さよなら、私は魔女になる

2017/07/14

私は大人になんてなりたくなかった。

子供の頃はよく未来の自分を想像したものだが、あの日みた夢とは遠く離れた人間になってしまった。夢の中の願いを遂げることができなかった。

そのことがずっと私を苦しめている。あの頃の自分に許しをこう姿は哀れだ。でも仕方がない。過去はやり直せない。

今日は精神科を受診する日だ。先生の背後にはいつもあの頃の私が立っている。今回も先生に向かって泣きながら謝罪をくりかえす自分がいるのだろう。

私は夢をみすぎた。これから先の分まで、子供のうちに夢をみてしまった。

もう私が夢をみることはないだろう。私は永遠に、昔みた夢の海を泳ぎ続ける。

私の悲しみはこれで終わり。

私の全てはあの日で終わり。

2017/07/12

ずっと行きたいと思っていた赤レンガ建物へ行った。土曜日なせいか少し混んでいた。

展示物はどれも興味深いものだった。しかし展示数は少なめだったので、映像資料も全部見た上でも30分くらいで済んでしまった。

展示室のすぐそばにカフェがあったので、カフェでカブトビールを2種類いただいた。私は酒に弱いので、グラスの中身の残量が半分になったところで夫のグラスとトレードした。

土産にと二人でカブトビールの2本セットを購入した。カブトビールは明治と大正で2種類あるからだ。

ビールを飲み終え、機銃掃射痕を見に建物の外へ出た。たしかに壁には大量の穴ボコがあった。

宿に帰ると、宿の主人が分厚いアルバムを持って訪ねてきた。今日、青い鳥がいたんですよ、写真に収めたんですが綺麗でしょう?言った。もしやと思い写真を見せてもらうと、昨日車窓から見たあの鳥だった。やはりあの青い鳥は私達の一歩先を羽ばたいているのだ。

部屋に戻り夫に青い鳥の話をした。世界はいつも何かを追いかけているんです。風は雲を追いかけて、あなたは青い鳥を追いかける。青い鳥だって幸福を追いかけているんです。と夫は言った。

なるほどと思いうなずくと夫は、僕だってあなたを追いかけているんですよ。と付け加えた。

夫は自分が私を追いかけていると思っている。しかしそれは違うのだ。本当は私が夫を追いかけている。本物の青い鳥は夫自身なのだ。夫が私を信じてくれるのなら、私の幸福はそこに存在する。私も誰かの青い鳥でありたいと強く思った。

2017/07/07

まとまった休みをいただいたので、旅行に行くことにした。旅行といっても県内なうえ、電車で30分くらいの場所なのだが。しかし今朝から夫はそわそわしている。私と旅行に行くのは初めてだからだろうか。電車で30分くらいの距離と言ったが、あえて泊まりで行くことにした。思い切って3泊4日にした。

駅にたどり着くと、人身事故で遅延が発生していた。しかしあまり待たされることなく電車に乗ることができた。

知多半田駅を出て最初にしたことは、お菓子とジュースと弁当を買うことだった。宿に着いたら即弁当を食べ始めた私を、夫はニコニコしながら見ていた。ちなみに私は鮭弁当を、夫は三ツ矢サイダーを飲食いしていた。

そこから先は場所が変わっただけで、いつもの生活とほとんど変わらない過ごし方をした。

私がブログの更新をしている今、夫は横ですやすや寝息を立てて眠っている。明日はどこに行くのかを一緒に考えようと思っていたのに。というわけで勝手にプランを立てさせてもらった。明日は半田赤レンガ建物を見に行くことにした。もうこれは決定だ。誰にも変えられない。

そういえば今日、私の眼の前にある車窓に青い鳥が現れたのだった。しかしすぐにいなくなってしまった。次、青い鳥と出会えるのはいつだろう。童話どおりなら自宅で再開が果たせる。でもそうでなかったら?

ここじゃない何処か。そこで出会える。私たちより一歩早く私達の道を羽ばたいているのだ。それならば追いかけよう。生まれゆく朝日の色をした鳥を求めて。

2017/06/27

私は先ほどから点滴を打たれている。めまいと吐き気がひどく、かかりつけ医に飛び込んだらこの有様だ。

まず、私の過去の体調から説明せねばならない。実のところ、めまいや吐き気はいつものことだ。しかしここ数日で異様に苦しむほどになってしまった。

点滴液の内容はソルデム、メイロン、プリンペランといったところだ。飲み薬も出た。ジフェニドール、アデホスドンペリドン

現在精神科で出されている薬が10種類、今回内科で出された薬が3種類。薬でお腹いっぱいになれそうだ。

話を戻すと、点滴が終わった私は帰路についた。しかし、いつもと体の調子が違う。調子がよすぎるのだ。突然立ち上がってもめまいがしないし、吐き気もしない。最高だ。

世界の歯車がかみ合った感覚がした。この喜びを誰かに伝えたかった。しかし平日真昼間に暇を持て余しているのは私くらいなものだった。なので、電話交換手に声をかけることにした。おい電話交換手ども。そう声をかけた瞬間、電話交換局である脳髄が爆発した。

私は千鳥足でただ気の向くままに散歩をしながら家に帰った。家で夫が待っている。この感動を彼に伝えよう。きっといつも通り微笑むばかりで終わるのだろうが、それでも彼に伝えたかった。今朝、夫はマドレーヌ用の型を洗っていた。今日のおやつはマドレーヌに違いない。早く家に帰ろう。

2017/06/22

昨日の話をしよう。私は大変に体調が良かった。なんでもできた。夫の仕事である家事を全て奪ってもまだ体力が余っていた。気分が最高に良かった。

が、それも16時までだった。突然の眼球上転に襲われ、頓服を飲んだら立っていることもままならないほどに疲弊してしまった。それでもやりたいことがあった。しかし夫に無理やり寝付かされてしまい、そのまま翌晩の2時半まで寝ていた。ようやく目を覚ました私はとりあえず風呂に入り、夫が買ってきてくれたケーキを食べた。そしてまた朝まで眠った。

体調はどうですか?と揺すりながら声をかけてくる夫に、バッドコンディションすぎる。と言いながら起床した。なぜなら目覚めて最初にみたもの、天井。それに巨大なムカデが大量に這っているのが見えたからだ。もちろんこのムカデは実在しない。トイレの壁にはみっちり羽アリが蠢いていたし、朝食の上にはバッタが鎮座していた。もちろんこれらも実在しないものである。

私の世界がとことん幻に支配されていく。なんとか支度して出勤しようと家を出れば、床が一瞬にして液体となりこける。まるで水風船を敷き詰めた上を歩いているようだ。

なんとか出勤してタイムカードを押した。業務の引き継ぎ願いを確認するべく振り返れば、景色一面に引き継ぎ願いが大量に貼られており、どれが本当の引き継ぎ願いか分からなかった。一度視線を外して振り向き直すと、そこには4枚に分かれた引き継ぎ願いが置かれていた。

視線を外す、ということを思いつくまでに大変時間を使ってしまったので、慌てて開店支度の業務に取り掛かった。

今日の店は大変に騒がしい。西野カナがかかっている店内に子供の泣き声がそこら中からする。このピアスはイケてるだのダサいだの、ネイルパーツがこの値段なのはマジで買いだからとか、500円しない商品で討論が行われている。

でもこれは幻聴だ。なぜならまだこの店は開店していないし、BGMもかけていないから。

2017/06/20

仕事を終えた私は限界だった。普通に疲れた、とかではなく精神的にかなり追い詰められていた。

高所でディスプレイを組んでいる私の唯一の足場である脚立を揺らす子供。ようやくディスプレイを完成させてもパッとしない出来。上から目線のアルバイト応募者。クレーム対応。他店のクレームの代理対応。

ただ1つの救いは上司が優しいことだ。しかしもはや上司のフォローすら傷口にしみる。痛い。正直、この程度でけしからんというのも意見としてあると思うのだが、私がしんどいならそれはしんどいのだ。

タイムカードを切り、職場を出た。スマートフォンを確認すると、夫からLINEがきていた。美味しいお店があるそうなので食べに行きませんか、とのこと。地図が添付されていた。私が目的地にたどり着くと、夫はすでに到着していた。タイ料理の店だった。席に案内され、立ち仕事の私は少しだけ落ち着きを取り戻した。

クイッティアオとグリーンカレーを注文し、私達はポツポツと会話をした。仕事がしんどかったこと。仕事中、身体が震えて涙が出そうだったこと。背中がなんだか熱いこと。話しているうちに料理が届いた。その時私は泣いていた。

涙がしょっぱかったせいで、肝心の料理の味が分からなかった。唯一分かったのは、夫が頼んだグリーンカレーが馬鹿みたいに辛かったことだ。

店を出てシャッターの閉まり始めた商店街を歩いた。夫がぽつりと、無理はしないでくださいね。と言った。そして、また置いていかれそうになったら困ります。と続けた。

夫は月からきた。しかし迎えはこない。いつか来るのかもしれないが、今の所その予定はない。私はもう二度と、夫をこの星に置き去りにしようとはするまいと誓った。